Picny
戦前の1935年、宮川製作所が製造した日本産カメラ。
日本人の手に収まる大きさ。時代を感じさせるしっかりとした重さ。
|
こうなります。飾るためには何らかの支えが必要ですね。最近は小型の三脚が安価に手に入るので、部屋では三脚を取り付けた状態が基本です。 |
底面。 |
レンズは「Picny anastigmat 1:4.5 F=40mm」を使用。4群構成であり、藤田光学機械製です。(F=40mmとは焦点距離:40mmということです。) シャッター機構は宮川製作所が独自開発したものです。 シャッタースピードは1/25,1/50,1/75,1/100秒と,B機能、T機能があります。シャッターレリーズは、レンズ側に取り付けられた小さいレバーになっています。今でこそ押しボタン式のレリーズが普通ですが、昔はこちらのほうが主流でした。 ※補足 『B』(バルブシャッター) レリーズを押している間、シャッターを開放する。 『T』(タイムシャッター) 1回目のレリーズで開放、2回目で閉じる。 |
人差し指側がチャージレバー、左側がレリーズレバーです。昔のカメラはチャージしてレリーズするというのが一般的な使用手順でした。稀に、チャージレバー無しのカメラもあるみたいです。 シャッターにもブランドがあり、これは宮田製作所が独自に開発したもののようです。レリーズ時の所謂「カシャッ」 という音が小さいので、記念撮影のときは撮りましたという必要があるみたいです。 |
チャージレバーの後ろには絞り調節があります。調節領域は左の通りに、4.5・6.3・7.5・11・16・22です。絞りとシャッター速の調整は露出計を使うか、パターンを覚えるか、です。 |
上面の軍艦部です。左からコントラストレンズ・ファインダー・軍艦部ロック・フィルム巻き取りノブです。 コントラストレンズは使用しないときはここに取り付けておけます。 ファインダーは倍率無しのガリレオ方式というものです。フィルムの露出サイズと同じ対比で、長方形に撮影対象を見ることができます。 巻取りノブの横にあるのはフィルム交換時に開閉するためのロックです。解除することで軍艦部を丸ごと取り外すことができます。(ロールオーバー)この外した状態で、フィルムの詰め替えを行います。 |
フィルムです。右が120ブローニー、左が127ベスト。日本では絶版であるため、海外製造のものを使用するか、120ブローニーを裁断して自主製作する方法があります。 |
1つのフィルムで16〜18枚ぐらい撮れます。 左側の赤窓に数字を合わせて1枚撮り、巻いて右側に前回の数字を合わせてもう1枚撮ります。(ロールオーバー) 幾分昔の製品なので、こういった赤窓が開放されているタイプのフィルムスには、テープなどで蓋をすることをお勧めします。 |
ファインダー視点はこのようになります。少し小さくなる・・・感じですかね。カメラが左の姿勢で縦長に写ることになります。 |
コントラストレンズです。(ロールオーバー)白黒フィルムを扱う場合のみ有効なフィルタ機能です。購入時にイエローのみ付属してきました。僕はレンズカバー代わりに使ってます。 本当は専用レンズカバーも販売してたらしいのですが、どれだけ探してもカバー単体での中古販売は皆無でした・・・ レンズ周りにネジが切ってあり、それに接続します。使わないときは、軍艦部にセットしておけます。 |
以上。
70年前のカメラとは思えないほどの状態の良さです。前オーナーに感謝。
前述しましたが、このカメラで使用するフィルムがもう日本では生産されていないことです。
しかし、インターネットとは便利なもので、調べてみると2つの方法がありました。
1.大きいサイズのフィルムを裁断して使用する
2.海外の製品を使用する
まずはレンズの状態とシャッターの確認をするために、製品を使用することに決めました。
まぁ、安心感の問題です。
で、ドイツ製のカラーフィルムと、クロアチア製の白黒フィルムを取り寄せました。
以下が撮影結果です。
非常に味のある出来になりました。
カラー・ドイツ玉はともかく、白黒のクロアチア玉は非常にアレな出来となってしまいました。
現像して下さった方曰く、古いフィルムを現像した場合と似ているそうです。
今回は現像カップを用いて現像されたため、次回は昔ながらのトレイを使った現像方法で試してみるとおっしゃってました。
今度、フィルムの裁断をしてみようと思います。
(04/26.2009)