Baron-RII
                          バロンカメラ株式会社から、1954年に発売された日本産カメラ。
                          僕の部屋の平均年齢を上げる切欠となったカメラです。




Baron RII

バロン アール・ツー です。
形式は携帯型蛇腹カメラ。もっぱらスプリングカメラと呼ばれます。
1954年にバロンカメラ株式会社が製作し、服部時計店で販売されていました。



当時価格15,000円。京都のカメラのナニワにて、中古8,000円でした。

このカメラを手に入れてから、クラシックカメラの溝にはまっていくことになります。




 Baron-Rの下にあるスイッチをスライドさせると、蛇腹が格好良く
 「ガシャッ」(ロールオーバー)
っと展開します。重力によって作動する機構なので、決して左の状態ではうまく動作しません。
  ある意味、カメラ全体よりもこのギミックに一番惹かれました。先日行った広島でも、このギミックが話のタネになりました。









 展開後。
 レンズは 「Baron Anastigmat 1:3.5 F=80mm」を搭載しています。青味がかったコーティングが施されており、とても綺麗です。








 絞りは開放3.5〜22まで。左で5.6を指している爪をダイアル調節でセットします。




 








  シャッターは豪華にセイコーシャ・ラピッドを使ってます。速域は1/1・2・5・10・25・50・100・250・500秒とBモード。これもダイアル動作で合わせます。
 シャッター音は流石セイコーといったところで、小気味良い音がします。このカメラで気に入っている点の一つです。









 フォーカスはレンズ外周の円筒カバーがダイアルになっていて、回すことで調節できます。合わせ位置である、◇を細長くしたやつはシャッター速の合わせ位置と共通です。

 二眼レフに比べると、フォーカシングはかなり面倒です。なぜなら、ファインダーで読み取った距離の値を、手動でレンズに反映させなければらないからです。
 おまけにこのカメラ、ファインダーの数値に誤差があるみたいです。さらにいえば、数値がなじみの薄いフィート表記。
 この辺の修正や調整は目下検討中。




 チャージについては、必ずシャッター速を決めてからチャージします。チャージしてからシャッターを弄ろうとすると、どうしても1/500だけ入らないのです。
 この点は、大概の機械式シャッターで共通しています。無理にシャッター速を変えようとすると、破損に繋がり、最悪カメラがオシャカになるので、僕はチャージをするのは全ての準備が整ってからと決めてあります。(画像ロールオーバー)








 シャッターの羽の枚数は5枚。レンズの構成は現在のところ不明。(画像ロールオーバー)
 結構広角なレンズのため、迫力があります。












 巻取りノブとファインダーです。
 巻取り機構・・・のようなものはなにもなく、直結したスプールを一方向に巻いていくだけ。当然巻き数に合わせてノブは重くなり、ちゃんと確認しながら巻かないとフィルムが行き過ぎてしまったりします。(ロールオーバー)
  また、多重露出防止機構などという便利機能もついていません。繰り手の記憶力をとことん試すカメラであり、こういった面でも数多く撮る方には向いていないと思います。







ファインダー調節ノブとレリーズボタンです。
  ファインダーは真ん中に赤く見える部分があり、周囲と赤い部分とのズレを無くすように左にあるノブを回します。
 ズレがなくなったときのノブの数値から、撮影レンズのフォーカスを調整します。











  ファインダーの入光口は、2つあります。右側がメインのファインダーです。

  左で取り込まれた像は、鏡の反射を利用してメインのファインダーに投影されます。(ロールオーバー)
  片目づつで見るとき、見える景色は横に少しズレが生じます。このファインダーは、そのズレを使って距離計にしているのです。









 フィルムチェンジは、カメラの左側面、巻取りノブ横のベロを引き上げることでロックが外れ、背面が開きます。フィルムは左送りです。

ロールオーバーでレンズの裏側が見えます。










 ロールオーバーでレリーズ。
 このカメラは、当時はまだ主流でなかったであろう、押しボタン式のレリーズを採用しています。

  ・・・と言っても、リンク機構を駆使してレリーズレバーを動作させるものですが。
  そしてこのリンク機構も厄介の種であり、蛇腹の展開から一度目のレリーズは詰まる事が多いのです。
(僕はジャムと呼んでいます)










以上です。
見た目は渋くてカッコいいし、シャッター動作も好調。いいカメラだと思います。

焦点距離の問題は、慣れでカバーできる範囲なので無問題。
レンズの詳細がカメラペディアにすら記載されてないレアな情報のために、
これからもしばらく試験撮影をしなければならない子だと思います。

調子見の作例は、以下のようになりました。


  

  

  


フォーカスがきちんと合えばそれなりには撮れるみたいです。
が、とどのつまり合わせるには慣れと勘と運がいるのです。

その上、被写対象の偏りブリがすさまじい。
以前に人物も撮りましたが、描写に問題はないみたいです。

フォーカスさえ!フォーカスさえ合えば!
前途多難です。



(06/07.2009)


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